蒸し製煎茶とは?
日本におけるいわゆる一般的な緑茶のことを、蒸し製煎茶と呼びます。
お茶の生葉は摘んだままおくと酸化酵素の働きによって自己発酵してしまうので、それを止めるために熱を加える必要があります。
蒸し製煎茶は、この加熱を蒸気を当てて蒸すことによって行うのが特徴です。
このときの蒸し時間がお茶の味・香り・水色など緑茶の個性・特徴に決定的な影響を与えます。
蒸し時間によるお茶の違い
短い蒸し時間(~30秒)で作られたお茶は浅蒸し煎茶と呼ばれます。
熱を加える時間が短いので茶葉の形が保たれ、針のような整った茶形になり見た目が非常に美しいです。
熱で失われやすい香り成分も多く保たれるため、緑茶本来の香りも楽しめます。
霧深い中ゆっくり育って香り成分を多く含むお茶、つまり山間地のお茶は浅蒸し煎茶の産地が多いです。
長い蒸し時間(60秒~)で作られたお茶は深蒸し煎茶と呼ばれます。
熱を長く加えるので茶葉が砕け、お湯に葉緑素が溶け出すため淹れたときの水の色が美しいグリーンになります。
熱によって甘みが引き出されるため、渋みが少なくまろやかで非常に飲みやすいお茶です。
太陽をいっぱい浴びて栄養=甘み成分を多く含む茶葉、つまり平地・台地のお茶は深蒸し煎茶の産地が多いです。
同じ茶葉から作られるお茶ですが、蒸し時間の違いだけでこれだけ違うお茶ができあがるのです。
どうりんファームのお茶
どうりんファームのお茶は中蒸し煎茶です。
当園(磐田市旧豊岡村)は平地と山地のまさに中間にあり、生産される茶葉も平地のお茶と山のお茶の中間、いいところをあわせもっています。
蒸し時間40~50秒程度で葉をしっかりとやわらかくしつつもさわやかさを残して、この地で産出される茶葉の良さを引き出しています。香りもあり、渋み・うまみとコクもあるいいところどりのお茶をめざして日々生産に励んでいます。