かぶせ茶とは?

かぶせ茶とはお茶の製法のひとつで、被覆栽培をしたお茶をさします。

被覆栽培とは?

新芽を摘み取る前、茶の芽の葉が2~3枚開いた時点で日光を遮る覆いを茶園にかぶせます。
日光を遮られ光合成が妨げられた茶の新芽は、再び日光が差すそのときに備えて葉緑素を作りだし、また光合成の材料となるアミノ酸を根で一生懸命作り出し芽の組織内に蓄えます。

そうして栄養たっぷりになった新芽を刈り取ることで、緑色がつややかに濃くうまみと甘みが抜群なお茶をつくることができるのです。

かぶせ茶茶園

新芽の色がこんなに違います!(手前がかぶせ茶茶園)

玉露、碾茶、かぶせ茶の違い

同じように被覆栽培で作られるお茶に玉露(ぎょくろ)、碾茶(てんちゃ)があります。

玉露とかぶせ茶の違いはおもに被覆する期間の長さの違いです。
玉露は20日以上被覆するのに対し、かぶせ茶は一週間前後です。
うまみや甘みの濃厚さでは玉露に軍配が上がりますが、かぶせ茶は味のバランスがよく、また長期間被覆することで発生する覆い香と呼ばれる青のりのような独特の香りが薄いため、飲みやすいお茶に仕上がります。

碾茶と玉露・かぶせ茶の違いは製法です。
玉露やかぶせ茶は生葉を蒸した後もみこんで撚ってお茶にしていく煎茶と呼ばれるお茶です。
碾茶も20日~25日被覆するところまでは玉露と同じですが、製茶するときに蒸した後熱風を当てて乾燥させることで作ります。
撚り込まずに一気に乾かすことで、碾茶はパリパリで薄い乾燥わかめのような形状になります。
これを石臼でひくことで抹茶ができあがるのです。
一般的に、碾茶は抹茶の原料のお茶と理解していただければいいかと思います。

当園のかぶせ茶

当園のかぶせ茶は、やまのいぶきという品種を10日間程度被覆することで作ります。
やまのいぶきは苦渋みが少ない品種で、かぶせ茶にすることでほかの品種とは違った濃厚なうまみと甘みが感じられるお茶になっています。
まさに一味違うお茶、一度ぜひ味わってみてください。

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